12月7日、日本中の漫画ファンに衝撃が走った。「週刊少年ジャンプ」(集英社刊・以下、ジャンプ)で連載していた人気漫画『チェンソーマン』が、翌週発売号の同誌をもって連載終了することが発表されたのだ。『このマンガがすごい!2021』(宝島社刊)のオトコ編1位を獲得した矢先の発表だけに、SNS上では終了を惜しむ声が殺到した。
実は今年の「ジャンプ」では『チェンソーマン』同様、人気絶頂のタイミングで連載を終える漫画が続出している。5月の『鬼滅の刃』をはじめ、『ハイキュー!!』『約束のネバーランド』といったアニメ化もされた人気作品が、次々と終了。『チェンソーマン』も含めると、その数なんと4作品(チェンソーマンもアニメ化が決定した)。
事实上,今年《JUMP》上和《链锯人》一样,在人气顶峰时结束连载的漫画接连出现。从5月的《鬼灭之刃》到《排球少年!!》、《约定的梦幻岛》,这些已经制作了电视动画的人气作品也相继完结。包括《链锯人》在内,这样的作品竟然有4部(链锯人决定制作电视动画)。
18年に終了した『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』、19年の『食戟のソーマ』『火ノ丸相撲』と比較しても、その数は倍になる。こうした「ジャンプ」の“異変”について、自身も長年の「ジャンプ」愛読者であるドラマ評論家の成馬零一氏に話を聞いた。成馬氏は「4作品も変に引き延ばした印象はない」と前置きしたうえで、理由は複合的であるという。
《银魂》、《齐木楠雄的灾难》18年连载完结、《食戟之灵》、《火之丸相扑》19年完结,和这两年的情况相比,作品数增加了一倍。就JUMP的这一“异变”,采访了电视剧评论家同时也是JUMP忠实粉丝的成马零一先生。他首先表示“印象中4部作品都没有刻意拖延”,而变成这样的理由是综合性的。
「(連載を)引き延ばしてしまうと、作家が疲弊して、話も繰り返しのようになってしまう。それよりは終わらせるべきタイミングで終了させて、その作家の新連載を立ち上げるほうが作家の寿命を延ばすし、作品の評判もいいです」
“如果连载延长,漫画家会感到疲惫,故事也会变得重复。与其如此,不如让故事在应该结束的时候就果断结束,让漫画家开始新的连载,反而能延长漫画家的创作寿命,作品也能获得好的评价”
また、アニメ化、ゲーム化といった多角的な二次展開を見越した「ジャンプ」側の商業的な判断もあるという。
此外,其中也有《JUMP》方对漫画将进行动画化,游戏化等多元二次商业化的考量。
“制作动画和真人电影时,对原作的选择倾向于避开篇幅过长的漫画。为了配合电影的时长,对长篇漫画进行改编容易招致原作粉丝的不满。5-10卷左右的漫画,刚好能改编成26集的2季动画,对漫画家和粉丝来说都更好。
「長期連載のベテラン作家陣ばかりになってしまうと、誌面がどうしても保守化してしまいます。雑誌の新陳代謝ができていないと、新しい少年読者も入ってこれない。その辺に気づいたのが4年前あたりなのでしょう。そして16年に『鬼滅の刃』、18年に『呪術廻戦』と『チェンソーマン』が連載を開始して、去年から今年にかけて花開きました。
これはジャンプに限ったことではないのですが、新人が育っていないメディアが今、非常に多い。若い才能がフックアップされてヒット作を生み出し世代交代が起きることこそが文化的に豊かな状態です。最近のジャンプはそれを意識的におこなっている。
这种问题不只出现在JUMP上,现在非常多的媒体都没有在培养新人。提拔有才能的年轻人,促使热门作品诞生,促成世代交替,这才是文化繁盛的状态。最近的JUMP有意识地在做这件事。
基本的には編集部の方針として、新人を育てたいということが昔からずっとあるわけです。今は、いい意味で“作品主義”に戻ったというか、ある種の“原点回帰”なのだと思います」
基本上,培养新人从以前开始就一直是JUMP编辑部的方针。现在,从好的意义上来说,JUMP回归“作品主义”,可以说是某种意义上“回归原点”的表现”
さらに、14年からスタートしたアプリ・ウェブサイト「少年ジャンプ+」がここ数年で急成長。アプリダウンロード数は累計1,500万を越え、『SPY×FAMILY』や『怪獣8号』といった人気漫画が続々と登場している。強力な“社内ライバル”の存在も、「ジャンプ」本誌を押し上げているようだ。
并且,从14年开始运营的App・网站“少年Jump+”这几年急速成长。App下载量累计超过1500万,《SPY×FAMILY》、《怪兽8号》等人气漫画陆续登场。强大的“内部竞争”也推动了《JUMP》杂志的发展。
「ジャンプ+は、新人はもちろん、キャリアは長いがヒット作が出なかった作家に新しい作品を描かせてブレイクさせています。『怪獣8号』の作者・松本直也さんはジャンプ本誌で一度連載したのですが、ヒットが出なかった。
“在JUMP+,不仅新人如此,资历深却没有代表作的漫画家也在挑战创作新的热门作品。比如《怪兽8号》的漫画家松本直也就曾在JUMP上连载过一次,但反响不佳。
そのいっぽうで、『チェンソーマン』の藤本タツキさんみたいな凄く新しい才能を発掘することもやっている(編集部注:藤本氏の初連載作品はジャンプ+内で16年からスタートした『ファイアパンチ』)。ジャンプ+は、間口を広くして自由に描かせることで、ジャンプ本誌のフォーマットから外れた作家たちを集めていますよね。そこでヒットした人がジャンプ本誌で連載を開始するといった、連携も成功している。恐らく、90年代くらいまでは編集部も読者アンケート以外信用していなかった節があります。ですが、最近はWEBでの反応やアニメ化後の展開も見ていて、全部合わせて利益を出そうとしている気がしますね」
同时,JUMP+也在挖掘像创作了《链锯人》的藤本树那样拥有杰出能力的新人(编辑部注:藤本树的第一部连载漫画是从16年开始在JUMP+上连载的《炎拳 (Fire Punch)》)。JUMP+扩大了创作空间,让漫画家们自由发挥,聚集了摆脱JUMP杂志创作方式的漫画家们。在JUMP+上创作出热门作品后,再开始在JUMP上连载,两方联动也很成功。恐怕,JUMP编辑部一直到上世纪90年代左右都不相信读者问卷以外的信息。但感觉上,JUMP编辑部最近也在看网络上的反应和作品动画化后的情况,致力于全面盈利。”
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